「ランクボーダーが高くなるってどういうこと?」#プロデューサーQA ぽこフォーラム 最新情報公開編 vol.8
#プロデューサーQAとは、ユーザーのみなさんからいただいた疑問、お悩みやご意見に対して、プロデューサーの水田が回答する企画です。
今回は2021年8月22日に開催された、「ぽこフォーラム 最新情報公開編 vol.8」でいただいたご質問と回答をまとめてお伝えいたします!
水田:ランクボーダーは、単純にメーターが高い・低い、というだけでなく、Pococha全体の目指している姿やシステム全般に大きく関わってくる部分なので、そのあたりも合わせてお話しをさせてください。
まずは、ここ半年間でのランクボーダーの推移、そしてランク制度開始当初からの推移のデータから説明します。
水田:こちらのデータは、今年2月から7月までの±0のランクボーダーの中央値を、2月を基準としてその変化率を表したグラフです。
中央値とは、1ヶ月の中の一番真ん中の値です。これよりも高い値も低い値はありますが、その月の皆さんの実感に一番近いボーダーの値を持ってきています。黄色いラインが上下10%を表しているのですが、6月までは変動が上下10%以内におさまり、全体的に安定して運用できていました。
7月はボーダーが緩和する方向の調整を事前に行なっていたのですが、それにも関わらずS4~6ランクでボーダーが少し上昇しました。ここに対して、直近で緩和する対応を行なったので、月末にかけ一定実感を得てもらえたのではと思っています。
水田:そしてこちらがランク制度開始当初からの推移です。2018年6月からランク制度は開始しましたが、初期は一部のデータが残っていないため、2018年10月からのデータを表示しています。また、S4-S6は2020年4月から実装されたため、それ以前のデータはありません。
はじめは高ランク帯のライバーさんは少なく、徐々に上がっていくライバーさんが出ていったので初期は全ランク低い値になっていますが、ランクボーダーはランク制度開始当初と比較すると、どのランク帯も水準が高くなってきています。
これをお見せすると、「これだけボーダーが上がってきて、運営は何をしてるの?」と思われる方もいると思います。
そこで、ランクボーダーの水準が高くなるということがそもそもどういうことなのかについてご説明します。
水田:ライバーさんの配信が盛り上がると、その盛り上がりは応援ポイントに反映されます。Pocochaにいるライバーさん一人一人の配信が盛り上がれば盛り上がるほど、ランクボーダーは自然と高くなっていきます。実際に、2018~19年頃のユーザー数は今の1/4~1/5くらいでしたが、現在はより多くの皆さんに配信を楽しんでいただいています、その結果、アプリ自体が盛り上がり、結果としてランクボーダーの水準が上がってきています。
Pocochaはポリシーとして、メーターの高さを運営がコントロールして決めるのではなくライバーさんがリスナーさんと一緒に創意工夫し配信をしていく中で、自然とメーターの基準が作られていく世界観でありたいと考えています。
例えばライバーのみなさんの配信が盛り上がっているのに、運営が無理やりボーダー値を低くコントロールすると、みんながランクアップできるようになりランクづけの意味がなくなってしまいます。なので、ランクボーダーの基準は、ライバーさんの活動による盛り上がりの結果に応じて自然と作られていくべきだと考えています。
ここで重要なのは、ランクボーダーの水準が高くなるということは、ランクが上がりづらくなるだけでなく、「Pocochaユーザーの皆さんが、ランクボーダー水準が高くなった環境下でもPocochaをより楽しめるようなサービスづくりを後押しする一面がある」ということです。
踏まえて、Pocochaの運営がランクボーダーの上昇に合わせて、今まで取り組んできたこともご説明します。
水田:Pocochaでは、以下の4つの取り組みを行っています。
①ライバーさんに配信を長く続けてもらうための環境づくり
②安全・快適に楽しむための環境づくり
③ライブ配信を未来の日常として広めていくための取り組み
④上記の環境づくりや取り組みを進めるための、運営力の強化
それぞれの項目についてご説明します。
①ライバーさんに配信を長く続けてもらうための環境づくり
ライバーさんに配信を長く続けてもらうため、具体的に行なっている取り組みが以下の4つです。
1.時間ダイヤの導入・増額
安定したライバー活動を行なっていただけるように、時間ダイヤ制度を導入し、ランクボーダーの高まりに合わせ時間ダイヤの増額を行なってきました。現在では、同じ時間帯でもランクボーダーが始まった当初に比べ獲得できる時間ダイヤ数が増えています。
具体的には、2018年に時間ダイヤ発生上限を2hから2.5hに延長し、獲得いただける時間ダイヤが全体で25%増加しました。
また、昨年8月に時間ダイヤの獲得上限時間を1日あたり4時間、1週間あたり19時間までに延長したことで、時間ダイヤの額を保ったまま自由な時間の使い方をして配信ができるようになりました。
今後も、ランクボーダーの水準に合わせて適切な時間ダイヤの調整は行っていく予定です。
2.ランクボーダーの調整
昨年6月、ランクボーダーの割合を一定ではなく、日々の盛り上がりに合わせて調整できるようにしました。また、Sランクボーダー水準の上昇を踏まえてS4~6ランクを追加しました。
ランクボーダーの平均を一部のライバーが押し上げ始めた場合は、ランクを追加し対象ライバーを1つ上のランクに上げることで安定させることができます。また昨年12月には、イベントや月初などの影響で日々のボーダーが急激に高騰しないような仕組みを導入しました。
引き続き、日々の急激な高騰を防ぐための調整は行い、状況に応じてランクの追加などを検討していきます。
3.おやすみチケットの導入と増量
Pocochaでは2018年11月から、ライバーさんが様々な理由で配信ができない時、おやすみしたい時にランクの変動を気にせずおやすみいただけるよう「おやすみチケット」を導入しました。また、昨年ライバーさんの使用実態に合わせて報酬が獲得できるプレミアムおやチケも導入しました。
ですが、現在ランクの低下を阻止するためにおやチケを使い、実際に配信をするライバーさんも見受けられます。今後は、きちんとおやすみをしていただけるように「使用すると配信できないおやチケ」などの導入も検討していきます。
4.締め時間の多様化
Pocochaでは、昼に配信される方から夜に配信される方まで、無理なく配信を続けていただけるような仕組みの整備に努めています。ライバーさんの多様なライフスタイルに合わせて、ご自身に合った配信スタイルをお選びいただくべく、ランクメーターの締め時間の多様化を行ってきて、現在は13:00、22:00、24:00の3つの締め時間を用意しています。
今後も、新たな時間帯の追加を検討していきます。
②安全・快適に楽しむための環境づくり
Pocochaでは近年のユーザー数増加に対応すべく、低遅延で信頼性の高いAmazon Web Services(AWS)のライブストリーミングサービス「Amazon Interactive Video Service (Amazon IVS)」を、2020年5月17日より採用しました。これにより、これまでライブ動画ネットワークの管理にかかっていた負担を軽減でき、ユーザー側に立った機能の改善に、より注力できる環境となりました。また、エンジニアの採用にも力を入れています。
また、快適に楽しんでいただくため、機能改善や新イベントの企画、改善にも取り組んでいます。
たとえば近年では、イベントに参加できるランク帯の拡大のため、特にC・Dランク帯向けのイベントを拡張してきました。また、雑誌掲載や番組制作、YouTuberコラボなどといった露出系イベントの幅が広がり、最初は限られた人しか入賞できなかったものの、現在ではS・A・Bランク帯のライバーさんの露出機会の増加につながっています。
さらにリスナープライズの増加やイベントプライズ種類の多様化にも取り組んでいて、より多くの皆さんにイベントを通した楽しい体験をお届けできるようになってきたと思います。
「今年のDランクは去年のCランク並のボーダーだ」というお声を聞くことがありますが、去年のD・Cランクより今年のD・Cランクの方が充実していると感じられる体験をどんどん作っていきます。なので、必ずしもランクが上がり続けることだけが正しいと思わないでほしいですし、今後もそれぞれのランク帯Pocochaでの体験をより向上させるような取り組みを行なっていきます。
③ライブ配信を未来の日常として広めていくための取り組み
この取り組みについてですが、現状のライブ配信自体の認知度が低いがゆえに、ライバーという活動を家族や友達に理解してもらえない経験をしたり、ライブ配信について偏見を抱かれてしまったりなどの体験をしたことのある方もいらっしゃると思います。
Pocochaは、こういった声に対して先陣をきってライブ配信業界を盛り上げて、もっと多くの方に広めていく責任があると考えています。
そのために、Pocochaでは、コミュニティの健全性を維持し、Pocochaにある文化や雰囲気をより楽しんでいただくために、2021年6月18日に「コミュニティハンドブックVer.1.0」をリリースしました。また、Pocochaの目指す世界観や、ライブ配信の健全性・魅力をもっと社会に発信していくため、「about Pococha」というサイトを公開しました。
ライブ配信を新しい世の中の「当たり前」として広めていくために、アプリ内外での情報発信やコミュニティを作っていく取り組みは今後も行なっていきます。
④上記の環境づくりや取り組みを進めるための、運営力の強化
①から③で色々な取り組みについてお伝えしてきましたが、「対応が遅い、もっと早くしてほしい」というお気持ちがある方もいらっしゃるかと思います。そこで、さらにサービスを改善・向上していくスピードを速めるため、採用を強化しています。
そのために、先日Pococha専用の採用サイトを新たにオープンしました。「Live Link Life 〜今この瞬間を、いつまでも〜」を実現するため、このMission、Valueに共感し一緒にPocochaを作ってくれる人材の採用を進めています。
Pocochaが社会に対して発信していくべきことを、サービスの外でもこのように発信していき、サービス内の環境づくりや取り組みに生かしていきたいと思います。
上記①〜④のような取り組みをランクボーダーの上昇を踏まえて行ってきましたが、今後は以下のようなことにも取り組んでいきたいと思っています。
水田:最後に、ランクボーダー水準が上がることについての今後の運営の方針についてです。
短期では、現在のボーダーの水準を維持できるよう、日々の調整を行なっていきます。
ただし長期で見たときに、ユーザー数の増加やライバーさんの実力の向上によって徐々にボーダーの水準が高まっていく場合もあると思います。その場合は、本日お伝えしたように、ランクボーダーの水準に合わせて時間ダイヤの増額や、ランクの追加、おやチケの増量などの対応を行なっていきます。
ランクボーダーの高騰の中で、ランクを維持するにしろ上がるにしろ、ユーザーの皆さんが損をしたりするようなことはありませんのでご安心ください。
水田:皆さんが懸念されている、配信遅延やカクツキ、アプリの強制終了などの共通原因ともなる「発熱対策」の進捗についてお伝えします。
水田:8月3日に公開した5.4.0のアップデートにて、ライバーとリスナーのコメント表示の方法をアップデートし、高負荷時でも端末に負荷がかかりにくくなるよう改善しました。これにより、テスト環境下で30分あたりのCPU利用時間、つまり端末の発熱に繋がる負荷が5%改善したことが確認されています。少しづつではありますが、負荷全体の改善が進んでいます。
また、今後は「発熱対策」の他にも、アプリ自体の作り変えといった抜本的な改善も進めていく予定です。今のPocochaアプリの原型は4年前に作ったものなので、改善するのにも限界があります。そのため、今の技術でアプリを作りなおすことで、より安定性の高いアプリにすることができます。アプリの見た目等は変わりませんが、最新の技術でアプリをより強固なものにしていきます。
この対応は大がかりな手術のようなもので、準備や実行にも時間がかかるため、具体的にお伝えできる段階にてまた改めてお伝えします。
水田:こちらの表示ですが、プロフィール画面の表示修正をする際に、一度非表示にする対応をしておりました。皆さんからのご要望を受け、10月に予定しているアップデートにて表示を戻す予定です。
水田:7月13日に公開したバージョン5.3.0より、締め時間の後、プロフィールのメーターが「集計中」の場合に、「ライバーの応援ポイント」「ライバーの順位」「圏内を示す表示」が非表示となりました。
「集計中」の時間は各ユーザの応援ポイントを集計しており、集計完了後には「集計中」からメーターが変動する場合があります。そのため「集計中」に不正確な数値を示すことは、誤認を招くものとして非表示にしました。
水田:運営として、応援をすることの自由を制限することはできません。ただし、一人だけの応援行動によってイベント勝敗が決まってしまうような状況はよくないと考えています。なので、POCOビンゴやファミリーカップなど、新たな仕組みを取り入れたイベントを今後も試していきたいと思っています。興味がある方はぜひご参加ください。
水田:対応が必要な課題なのは認識しており、実力が近いライバーさん同士でブロック分けをする形にしていきたいと考えています。
そこで、10月開催の「雑誌掲載イベント」から、S帯のステージ分けを変更する予定です。こちらですが、S4~S6:1位および2位入賞、S1~S3は1位入賞とステージを分けて開催する予定です。
なお、他イベントへの適用は、「雑誌掲載イベント」の状況を見ながら優先度を高くして改善を進めていきます。
水田:現状は3位までですが、今後は5位までにするなどリスナープライズを増やすなどをチーム内で検討をしていきます。
これからも、リスナーさんも一緒に楽しんでいただけるイベントの仕組みを検討したいと思います。
水田:視聴だけのリスナーさんの存在が応援ポイントにマイナスに働くことはありません。ただし、応援行動をした人数は応援ポイントに繋がります。出来るだけ多くの方に視聴だけでなくいいね、コメント、アイテム使用で応援してもらうことでより応援ポイントが上がりやすくなります。
いいねよりコメント、コメントよりアイテム使用の方がよりライバーさんの応援につながりますので、BOXやログインボーナスでもらえるコインを活用するなどして、ぜひアイテムを使って応援をしてあげてください。
水田:現在、音の出るアイテムの負荷も含めた技術検証を行なっています。「方言のアイテムも音声欲しいです!」等のご意見ももらっていますので、 負荷等も踏まえて音付きを検討していきたいと思っています。
なお、アイテムに音をつけえるとまた負荷が増えるんじゃないか?というご心配の声もあると思うんですが、負荷を軽減するためにアイテムのファイル自体を変更するという技術検証も行なっています。
※ぽこフォーラム当日には、音付きアイテムのサンプルの映像をお見せしました。このような最新情報をリアルタイムで知りたい方はぜひ次回のぽこフォーラムへの参加をお待ちしています!
水田:現在の仕様上、ブロックされたユーザーはアーカイブを見ることができません。サブアカウント等の利用が確認できる場合には通報機能をご利用ください。ブロックしたユーザーからプロフィール自体も見えなくしてほしいというご意見もいただいているので、検討をしていきたいと思っています。
水田:競争原理とコミュニケーションの共存は難しくないと思っています。
みんなが一律、一緒という状態だと、ライバーさんの配信に対するやる気はなくなってしまうと考えています。ただ、Pocochaは競争をさせたいのではなく、配信に対して創意工夫をしてもらいたいと考えています。ライバーさんが喜ぶ応援が何かをリスナーさんには考えて行動してほしいですし、ライバーさんも日々の配信の工夫一つで配信枠に遊びに来てくれるリスナーさんが増えるというのを実感してほしいです。
ライバーさんたちから「配信時間の長さにしか頼れない」というお声を伺うことがあります。私たちとしても、Pocochaは皆さんが工夫できる場であってほしいので、配信時間を長くする体力勝負になってしまっているのは本意ではありません。配信に対してライバーさんもリスナーさんも、どこかで疲れてしまうことは工夫ではないと考えています。
ライバーさんにとってPocochaが「配信する内容の工夫や、ライブ配信におけるスキル」で競争ができ、リスナーさんと一緒に創意工夫をしながらコミュニケーションを取る体験ができる場所になってくれたらと思っています。 そして、ライバーさんが自分らしさの溢れる配信をお届けでき、リスナーさんも自然体で応援できるライバーさんを見つけられるような場所であり続けることを願っています。
以上、「ぽこフォーラム 最新情報公開編 vol.8」でいただいたご質問から抜粋してお届けしました。
ぽこフォーラムは今後も定期的に開催予定ですので、ぜひご参加ください!