
リスナー離れを乗り越え、トップライバーが見つけた“みんなで”配信枠をつくりあげるコツ|HIMI×yu LIVER×LIVER
Pocochaには個性豊かでさまざまな経歴をもったライバーが多くいます。連載「LIVER ×LIVER」では、そんなPocochaライバーの「個性」と「共通点」を探っていきます。
今回お話をうかがったのは、SランクライバーのHIMIさんとyuさんです。リスナーさんとの出会いと別れを経験し、現在はリスナーさんと協力して枠をつくりあげているおふたりに、枠づくりの秘訣を教えてもらいました。
Sランク達成して「遠い存在になった」とリスナーさんが離れてしまった
ーまずはおふたりの配信歴や現在のランク、配信スタイルから教えてください。
yu:ライブ配信は2020年の6月から始めたので、1年と4カ月くらいです。ランクはS5~6を行き来しています。もともと野球が好きだったので、ポコチャでは野球を絡めた雑談配信を中心に、たまに歌配信などもしています。試合がある日はリスナーさんと感想を言い合いながら一緒に楽しんでいます!
HIMI:私は去年の4月末から配信を始めて、今はちょうど1年半くらいです。普段はなかなか歌わない歌枠(笑)として、お笑い要素の強い歌配信をしています。今のランクは、S3をキープしています。
ーおふたりは現在トップライバーとして活躍されていますが、これまで配信をしていて大変だったことはありましたか?
yu:Sランクに上がったときに、リスナーさんが離れてしまったのは一番大変でした。Sランクを達成した瞬間、それまで応援してくれていたリスナーさんが「Sランクまでyuちゃんのこと上げたから、自分の役割は終わったね」とか「人気になっちゃったから気軽に話せない」と離れてしまって。配信を盛り上げてくれていたリスナーさんもいないし、私も配信を心から楽しめていないしで、残ってくれたリスナーさんにもそれが伝わってしまうという悪循環で……。そのときに改めて「配信ってライバーだけじゃなく、リスナーさんと一緒につくりあげていたものなんだ」と感じましたね。
HIMI:私もyuさんと同じく、配信枠を盛り上げてくれていたリスナーさんたちが、Sランクに上がった瞬間「遠いところに行ってしまった」と言って離れてしまいました。自分では変わった実感はなかったですが、リスナーさんにとっては、ランクが上がるにつれてゆっくりお話できないことが増えるので、どうしても捉え方が変わってしまう部分はあるのかなって。当時は不安との戦いだったので、配信中に「明日からどうするねん~!」って、ずっと言っていました(笑)。
ーおふたりとも、リスナーさん離れを経験されていたんですね。それはどうやって乗り越えましたか?
yu:私は当時支えてくれていたアシスタントさんたちと、「どうしたら新しい人が来てくれるか」とか、「いま配信枠に残ってくれているリスナーさんたちと、どうすれば一緒に配信を盛り上げていけるか」といったことを話し合いました。そしたら、ご新規配信やお忍び配信を増やすとか、「タグづけだったらみんなができるかも」と言ってみんなでタグをつけられるゲームを考えてくれるなど、新しい人を増やすためや配信枠を盛り上げるために、アシスタントさんが一緒になって考えてくれたんです。
あとはファミリーさんやリスナーさんにも自分の想いや配信枠の方針を共有することで、少しずつそれに賛同してくれる人が来てくれるようになりました。
HIMI:私はまず、配信に対する考え方を変えなきゃいけないと思いました。それまではただ楽しいという気持ちだけで配信していた感じでしたが、Sランクに上がってからは自分の行動にさらに責任を持つようになりました。例えば「決めた時間に必ず配信する」「パフォーマンスのクオリティを下げない」など、自分の中で毎月の目標を決めるようにしたんです。
そして、私もアシスタントさんにまず目標を共有しました。それまではあまりアシスタントさんに相談やお願いをできないタイプだったんですが、Sランクに上がったタイミングで、配信の内容だったり、自分がチャレンジしたいことだったりをやっと共有できるようになりましたね。そのときにアシスタントさん側からも提案をしてくれて、話し合いを重ねながら良い雰囲気の配信枠づくりをしていきました。
まとまりのある配信枠をつくるための“ファミリー運営のコツ”とは?
ーリスナーさん離れを経験して、アシスタントさんたちとの関係性も変わっていったんですね。普段おふたりは、リスナーさんとのコミュニケーションで工夫していることはありますか?
yu:まず1つ目は、リスナーさんへの感謝の気持ちを常に伝えること。2つ目は、リスナーさんに応援してもらいたいときは伝え方を工夫すること。コメントやアイテムなど人によって応援方法はちがうと思うので、「みなさんができることをそれぞれ選んでもらって、応援してくれたら嬉しいです」と選択肢があることを伝えた方が、リスナーさんも応援しやすくなると思うんです。そして3つ目は、自分の目標をリスナーさんにも明確に伝えること。この3点は特に工夫していますね。
HIMI:私もリスナーさんには「ありがとう」という言葉をいつも伝えています。リスナーさんに勝手にあだ名をつけたり、リスナーさん同士の名前を組み合わせて勝手にコンビを組んでみたりもします(笑)。それをきっかけにリスナーさん同士が仲良くなるし、個性も出しやすくなると思うので。そうやって、みんなで一緒に楽しい雰囲気をつくっています。
ーでは、まとまりのあるファミリーをつくるために、ファミリー運営で気を付けていることはありますか?
yu:私はアシスタントさんやファミリーのみなさんと協力して配信枠づくりをしながらも、「自分の配信枠は自分が舵を取っている」という意識を持つようにしています。なぜかというと、いまの配信枠の雰囲気が好きで来てくれている人が多いので、その雰囲気を保つようにしたいからです。だからファミリー内や配信枠の基本的なルールは私が決めていて、それをファミリーのみなさんに共有するというスタイルです。
枠の方向性や目標などを伝えるときは、アシスタントさんに一番早く伝えて、そのあとにファミリーさん、最後はそれ以外のリスナーさんと、伝える順番も決めています。そのほうが私の声が伝わりやすい気がするんです。
HIMI:私のファミリーでは、タグつけが得意なメンバー、新しく来たリスナーさんにおもてなしをするメンバーというように「役割分担」をしています。そして良いことをしてもらったら「すごく素敵なタグつけありがとう!」など、それぞれに感謝を伝えるようにしています。そうすることで、曲に合ったアイテムを使ってくれるとか、周りの人に対して優しい声がけをしてくれるリスナーさんたちが集まって、リスナーさんそれぞれが配信枠を盛り上げるために協力してくれるようになるので、結果的に思いやりまとまりのある配信枠をつくることができると思います。
ライバー同士で相談しあえるポコセミナーやPOCOBASEは貴重な場所
ーそれでは、現在おふたりがライブ配信で大切にしている考え方を教えてください。
yu:ライブ配信には出会いと別れがつきものですが、もしお別れのときが来たとしても、お互い「ありがとう」とか「楽しかった」という言葉で終えられるような配信枠づくりや配信をしたいです。
そして、たとえさまざまな理由でお別れすることになっても、「あのとき、あの人がいなかったら今の自分はなかった」と思っているので、リスナーさんへの感謝の気持ちを常に心にとめて配信しています。
これからも、みんなに楽しんでもらうことを一番に考えながら、いつも私の夢を一緒に追いかけてくれるリスナーさんに全力で「ありがとう」という気持ちを伝えていきたいです。
HIMI:私は、リスナーさんが一日を気持ちよく終わらせられるような、楽しい配信をしたいと思っています。
そして長い目で見たときに、リスナーさんが「HIMIちゃんを応援していてよかった」と思える人になりたいなって思います。私もリスナーさんもお互いに成長して、みんながハッピーになるようなライブ配信をしていけるのが理想です。
私自身が落ち込んでいる時期にライブ配信を始めて、リスナーさんたちの優しさにすごく救われたんですよね。だから今度はリスナーさんに返していきたいなと思って配信をしています。
ー素敵なお話をありがとうございました!最後に、POCOBASEへの参加やポコセミナーでご登壇などされているおふたりですが、ライバーさん同士の交流でよかったことを教えてください。
yu:私はずっと事務所に入らずフリーライバーとして活動してきたので、ライバー同士で悩みを相談する機会があまりなかったんです。でも、ポコセミナーに登壇させていただいて先輩ライバーとして相談を受ける機会が増えて、自分自身の過去や悩みごとを振り返る良いきっかけになりました。
あとは新しくライバーさんと出会って配信枠にお邪魔させてもらったことで勉強になることもたくさんあったので、そういうつながりはすごく大切だなと思いました。ほかのライバーさんにも、ぜひこういう交流の場を活用してもらいたいです!
HIMI:私が所属している事務所には歌枠のライバーが私しかいないので、私もyuさんと同じく、これまでライバーさん同士で相談する機会があまりなかったんです。POCOBASEに3回ほど参加させてもらって、ライバーならではの悩みや“あるある”話、悩みの解決方法などを共有できたので、すごく勉強になりました。
配信中だと、配信枠の雰囲気を考えてライバー同士で本音の部分ってなかなか話しにくいと思うんですが、こういう機会があると話しやすいし、悩みも解決しやすいなって思いました。これからも参加したいですね。
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リスナー離れを経験したことで、ライブ配信はライバーだけでつくっているものではないと実感したHIMIさんとyuさん。リスナーさんとのコミュニケーションを大切にしながら、全員で協力して枠をつくりあげることで、理想の配信枠づくりができるようです。
また、ライバーの交流の場に参加することも、悩みの解決や新たな学びにつながることがわかりました。 POCO BASEは、今後もさまざまなテーマで定期的に開催する予定です。興味があるテーマがあれば、ぜひ参加してみてください。